撹拌を行っていくなかで度々トラブルとして悪影響を及ぼす「ワイセンベルク効果」。
弊社でも対策に取り掛かっており、効果が起こる状況についての実験や、ワイセンベルク効果を抑制する撹拌翼の開発を行っています。
※ワイセンベルク効果は、粘弾性のある流体に棒を入れて回転させた際に、流体が棒を這い上がっていく現象です。
当記事では原理などの詳しい解説については説明を割愛致します。
実際にワイセンベルク効果が起こっている様子を確認するため、次の実験を行いました。
◆ 実験
実験で使うもの
CMC溶液 (粘度約200,000mPa・s)、1リットルガラス容器、撹拌翼3種、モーター
実験方法
① 撹拌対象となるCMC溶液(約500ml)を、一定の速度(20rpm)で撹拌する。
② 撹拌開始から30秒後、5分後、10分後の液面の状態を比較する。
◆ 実験で使用する撹拌翼3種について
傾斜パドル翼は、撹拌翼のなかでも最もポピュラーとも言われるパドル翼の一種です。流体の動きを生むためにパドル翼に角度をつけています。
アンカー翼は、高粘度撹拌で頻繁に使われる撹拌翼です。比較的加工難易度が低く、流体の流量がパドル翼より多いのが特徴です。
さらに、アンカー翼の弱点とされていた部分を解決するためのオリジナル撹拌翼(開発中製品)を用意しました。通常のアンカー翼に比べて高さがあるが特徴です。
傾斜パドル翼での撹拌時⋯⋯
アンカー翼での撹拌時⋯⋯
オリジナル撹拌翼での撹拌時⋯⋯
傾斜パドル翼・アンカー翼はどちらもワイセンベルク効果を観測しました。特に、傾斜パドル翼は少しずつ棒付近に流体が這い上がったのに対して、アンカー翼は撹拌開始30秒の時点から中央が大きく隆起したのを確認しました。
一方、オリジナル撹拌翼は溶液が翼全体に纏うようになりましたが、10分後も流体が棒を這い上がる動きは見られませんでした。少なくとも、今回のケースにおいてはワイセンベルク効果の抑制が確認されました。
▼ 動画での撹拌の様子はこちら
粘弾性のある流体は、撹拌翼の回転によって流体が外に押し広げられた際に、ゴムが縮むように内側に収縮するような力が発生します。その結果、撹拌棒を締め上げるように、中央に向かって流体が伝わります。
あくまで検証中ですが、オリジナル撹拌翼でワイセンベルク効果を抑制できた理由として液面を強い力で外側に引っ張る力が加わったことで、内側に収縮する力が弱まったと考えられます。
先述の通り、今回ご紹介した撹拌翼は現在研究開発中の製品となります。
詳しい構造部分や形状・寸法などは、実験結果に基づき検討段階です。
また、今回の翼を使用することで、従来品撹拌翼と比べて混合性能が向上する可能性がございます。詳しい検証データは現在検証中のためまだ公開できませんませんが、いずれまたメルマガ内でご紹介できればと存じます。
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